猫野きなこです!今回は三面図で表現するキャラクター絵の描き方です。
前回に引き続き、パルミーキャラクターデザイン講座第3回の内容をイラストとともに備忘録としてまとめます。
今までの重要なポイントをまとめると以下の3点になります。
- インパクトのあるシルエットにする
- オリジナルのパーツは強調する
- 自分のテーマを取り入れる
①キャラクターはシルエットの面白さやインパクトが大切です。シルエットだけでキャラクターがわかるようにしましょう。
②自分が考えたオリジナルのパーツは強調しましょう。注意点として全体の大きさやバランスを崩さないように意識しましょう。
③自分の中のテーマを1つ決めて自分らしさを取り入れましょう。(メカ・3人兄弟など)
- 第三回の課題はキャラクターの三面図を描く
- 男性と女性のお尻の描き方の違い
- パイナップルのキャラターデザインに挑戦
- 井関さんに褒められていた受講生の三面図
- 井関さんの課題作品
- キャラデザがもっと良くなる!井関さんのアドバイス2
- キャラクターデザインQ&A
- 次回の課題
第三回の課題はキャラクターの三面図を描く
今回の課題は三面図の構図を描きます。
井関さんが三面図のイラストを描かせた目的は2つあります。
3面図課題の目的
- 全体の大きさのバランスが取れているか
- 後ろにも意外性のあるデザインをしているか
書き慣れていない向きだと、太さや大きさなどがバラついてしまうのだそうです。
他にも、後ろにも見せ場を作って、面白いデザインをしているかを見たかったと言っていました。
29人が31作品の課題を提出しました。皆前回はラフだった人もしっかりとした線で仕上げてきていて、上手な人や個性的なデザインが多かったです。
私は三面図でイラストを初めて描きましたが、体のバランスを3体とも同じように描かなければいけない点が難しかったです。今回の課題で私が提出した作品がこちらです。
キャラクターの設定などを文字で入れて、目や服のデザインなども描いてみました。
前回、真正面ではない方がいいと井関さんが言っていたので、前向きと後ろ向きは気持ち斜め向きに描いています。
前回、井関さんに髪型を直したほうがいいと言われたので毛先をカールさせて、オリジナルのパーツを大きくしてみました。
リボンは後ろのシルエットが少し寂しく感じたので追加してみました。
個人的に井関さんのアドバイスですごく良くなった気がします。
自分のアドバイスを活かして頂いてよくなってると思います
(よ…よかった…!)
下着のデザインもあっていいですね
…お尻のこの線…ない方がいいですね
(ファッ…!)
デザインの補足で入れたパンツの部分を井関先生は見逃しませんでした。
男性と女性のお尻の描き方の違い
キャラクターとは別に色気の問題で、お尻の外側の線は無くていいそうです。
このお尻の外側にある線が1本あることによって筋肉質に見え、男性的なお尻になってしまうのです。
- 男性のお尻…大きい・盛り上がっている・筋肉質
- 女性のお尻…滑らかなシルエット
他にもパンツの形はお尻を包むような形をしているので、お尻が隠れるように描くといいそうです。
女性の私が男性に女性の下着の形の説明を受けるのは何だか不思議な感覚でした。
井関さんのアドバイスを元に修正したおしりの画像がこちらです。
下の線画はお尻を横から見たシルエットのイラストです。
描き直したのは左半分の下着の線と太ももの線だけですが、とても女性的なお尻になった気がします。
男性のお尻は真ん中が盛り上がっていますが、女性のお尻の重心は下になっています。
下着を描くのであれば、下着の形を見て研究するようにアドバイスを頂きました。
どんなに毎日見ているものでも、想像で描くのはよくないなぁと思いました。
プロに的確な描き方のアドバイスを頂けるって本当にありがたいです。
パイナップルのキャラターデザインに挑戦
前回、余裕があればパイナップルのキャラクターデザインを描いてきてくださいと言って頂いたのでチャレンジしてみました。
パイナップルのイラストを描いてきた受講生は私を合わせて2人だけでした。にもかかわらず、スカートのデザインがかぶってしまったのです!
なるべく人が思いつかないようなコンセプトで描かないといけないので、デザインをもう一段階ひねる事が大切だそうです。
単純すぎるデザインはかぶりやすいのでダメという事でした( ;∀;)
パイナップルを台形に切った太い方を内側にして、広がるようなデザインにしてみるといいかもしれないとアドバイスを頂いたので変更してみました。
どうでしょうか?(※腰ミノに見えるのは私の技術不足です)
確かにこうやって少しひねるだけで、デザインがかぶる確率はぐっと下がる気がします。
キャラデザって奥が深いですね~。
井関さんに褒められていた受講生の三面図
井関さんに褒められていた方々の作品も紹介します。他にも褒められている人はたくさんいますが、ツイッターやサイトでキャラデザ講座の絵を公開している方の中から、許可を頂いて絵を紹介させて頂きます。
後ろ向きに意外性があるかんたろ~さん
かんたろ~さんの三面図イラスト作品です。
かんたろ~さんの絵はとってもかわいらしいし、衣装のデザインもすごく個性的です。
袋を引きずって破れてしまっているのが、うっかり者のサンタさんの性格を表しています。色使いも柔らかい感じでいいですよね。
井関さんが袋が破れている所を「これが欲しかった!」と興奮していました。横のシルエットも帽子の先が跳ねているのがいいと褒めていました。
衣装のデザインがカッコイイかいねりさん
かいねりさんの三面図イラスト作品です。
アシメントリーのデザインの衣装や髪型がとってもカッコイイです!
かっこいい中にも腕のスリットやスカート丈、ブーツの長さが片方短くてセクシーです。色もきれいにクリスマスカラーでまとまっています。
井関さんが背中のデザインがすごくカッコイイし、絵がとても上手いと関心していました。
メカのパーツを表現したADVENさん三面図キャラクターイラスト
ADVENさんの三面図イラスト作品です。
手の甲にコンパスがあったり背中と足に噴射口があったり、見ていて飽きないデザインです。
プレゼントの袋のデザインもメカ風になっていて面白いですね。
井関さんが「背中のディテールにベルのデザインを取り入れていて、パクっちゃおうかと思う位いい」と言っていて、ADVENさんのデザインが本当に大好きな様子でした。
個性を生かしたポージングを描いたこばるさん
こばるさんの三面図イラスト作品です。
授業では左の1体だけの着色でしたが、後日ちゃんと着色してくるこばるさんの努力は素晴らしいです。
アドバイスを取り入れてロウソクを大きくしているのも、井関さんの想像を超える大きさでインパクト大ですね。ポージングもそれぞれの個性がよく現れています。
井関さんが下に着ているコルセットのデザインも描いてる事や、後ろに尻尾をつけた三女の衣装デザインがかわいいと褒めていました。
井関さんの課題作品
井関さんの題3回の課題作品は公開されていないのでお見せできないのですが、すごく細かい設定まで描かれていて感動しました。
ピンヒールの形をしたヒヅメの中が空洞で、トナカイの擬人化で人間じゃないんだとわかるデザインになっていました。
後ろはお尻がTバックになっていて、拘束具をつけているというセクシーなデザインになっていました。
井関さんはあえて「エロいのかな」と思わせるデザインにしているそうです。
絵は2枚あって、主線を鉛筆で描いて色鉛筆で着色したそうです。絵は有料ですが、以下の講座で見ることができます。
キャラデザがもっと良くなる!井関さんのアドバイス2
それぞれいいものを持っているので、いろんな人のデザインを見て盗めるところは盗んで欲しいと井関さんは言っていました。
絵は自由なので、もっと冒険して欲しいそうです。井関さんのアドバイスをまとめました。
キャラデザの基本
- 等身のサイズが合うように描く
- 女性は女性らしいシルエットで描く
- 立体把握能力はアニメーターにとって強い武器
デザインのワンポイント
- デザインはそれが何か一目でわかるように描く
- テーマから外しすぎない(コンセプトが読み取れるように)
- 後ろのデザインにも見せ場を作る
- デザインがキャラクターに合うようにする
- デザインは何を見せたいのかハッキリさせる
- 印象に残るデザインを取り入れる
色のアドバイス
- 色は何色かにまとめる(まとまって見える)
- カラーリングはケンカしないバランスで塗る
- デザインが違うものは色をハッキリ分ける
キャラクターデザインQ&A
今回のキャラデザ講座の質疑応答をまとめました。
Q:表情のよって構図は決まってきますか?
A:特に決まっていない。量も角度も多いほどいい
Q:服の模様は細かいとアニメには不向きですか?
A:細かいのはあまり問題ではないが、シンプルに細かい設定が描いているといい
Q:キャラクターデザインは最初にどこに目がいきますか?
A:シルエットのオリジナリティーとインパクト。次に色、可愛さやかっこよさ
Q:主線を茶色に描いたのは意味がありますか?
A:特にない。鉛筆で描いて主線を赤にできる設定がある。アニメの実線も完全な黒ではなく、赤や茶色でやっている。実線にあった色で塗るから要は好み
Q:配色はどうやって決めていますか?
A:最初にラフで試しに塗ってみる。トナカイならトナカイ押しの色でクリスマスカラーは使わない事にした。赤は入れすぎるとしつこくなるし、主人公っぽくなる。赤はワンポイントくらいでいい。寒色系は少しにして、大部分は暖色系で攻める。余計な色は使わないことを自分の中で決めている
Q:原作があるアニメのキャラデザでやっていいこと悪いことは何ですか?
A:悪いことのほうが多い。アニメの設定はもっと細かく決める。特に髪の毛や肌に乗せるブラシ(グラデーション)は難しい。どこまで入れるか線を入れて決めたり、濃度を決めたりするので描かないといけない要素が増える。今やっているのは企画として出す段階でアニメ化はもっと後の話。アニメのキャラデザは整合性をもっと細かく合わせていく。
たまに質問の内容を忘れて熱く語る井関先生。司会の伊藤さんに何度も途中でしゃべるのを止められていましたが、真剣さが伝わって嬉しかったです。
次回の課題
次回で最後です。課題はキャラクターに芝居をつけます。
設定を使ってキャラがどういう動きをするか2枚までに最低2体以上描くのが課題です。
これはアニメの原画段階だそうです。課題で気をつける点をまとめました。
- キャラがしそうなポーズや表情を描く
- 背景をかいてもOK
- 前回とは違うポーズで描く
- 全体を入れたポーズで描く
- ふかんやあおりなど色んな角度で描く
- なるべく動きがあるポーズで描く
これをマスターするとアニメーターの気持ちが多少なりともわかるそうです。
今回の授業も1時間半の予定が2時間近くになり、白熱した授業になりました。
授業では井関さんのツイッターをフォローすればフォロバしてくれるという粋な計らいもあり、便乗してフォロバしてもらいました(:.;゚;Д;゚;.:)ハァハァ
恐れ多くてそっと見てるだけですが…何だか嬉しいです(o´∀`o)
次回の第4回でパルミーのキャラクターデザイン講座は最後になりますが、今月中にまた続き書きたいです。