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パワハラでパニック障害になった先輩がフリーランスへ転職した話

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パニック障害の症状イラスト

私が働いていた会社では上司が定期的に転勤するシステムがありました。今までは成績が悪くてもうるさくない優しい上司だったのですが、その上司と入れ替わりにやってきたのが鬼のようなパワハラ上司だったのです。

私の職場には山口先輩という2つ年上の女性がいたのですが、あることがきっかけで彼女はパワハラ上司のターゲットになってしまいます。

上司のしつこいパワハラによって先輩はパニック障害になってしまい、仕事中に救急車で運ばれるほど追い詰められていました。

結果的に彼女は仕事を辞めたのですが、その後の転職先がとても意外で生き生きと働く彼女の姿が私にはとてもまぶしく見えました。

今回は先輩がパワハラにあったきっかけと、パニック障害になって転職するまでの話を漫画とともに紹介します。

パワハラのきっかけは成績と髪型

パワハラのきっかけ漫画

山口先輩は髪型に個性がある少し変わった女性で、性格は天真爛漫という言葉がピッタリな印象でした。

ある日、先輩が前髪をめちゃくちゃ短く切ってきたことがあったのですが、その時のパワハラ上司の顔はかなりひきつっていました。

その一ヶ月後、先輩はなんとアフロヘアーで事務所に現れたのです。彼女の顔にはそばかすがあったのでアニーみたいで似合っていたのですが、私達の仕事は営業なので(その髪型はまずいのでは…)と嬉しそうな先輩を見ながら心配になりました。

その日パワハラ上司が事務所にやってきて、山口先輩のアフロヘアーを見た瞬間動きが止まりました。上司は山口先輩を呼び止めて怖い声でこう言いました。

「おい…クレラップはまあ許したったけどな…お前仕事舐めてるのか…?」

先輩は状況を飲み込めていないようで「え…?クレラップ?」とのん気に笑顔でたずね返すと上司の怒りが事務所内で爆発しました。

・そんな髪型で客に会われたら会社の名誉が傷つく

・変な髪型に変える暇あるなら成績上げろ

・純粋に髪型が見苦しい・汚らしい

最後の方は部下だから何を言ってもいいと思っているのか、ただの悪口で先輩はとてもショックを受けていました。

最終的には「仕事を辞めるか、髪型を元に戻せ」という究極の二択を迫られて、先輩はすぐに髪型を戻すことになりました。 

パニック障害になった原因の言葉

パニック障害になった原因の漫画

営業の成績には波があります。ある時期に先輩の成績は伸び悩んでいました。そこに目をつけたパワハラ上司が毎日電話で精神的に追い詰め始めたのです。

  • いつ売り上げを上げるんだ?
  • 今月の契約は何件だ?
  • 今日の予定は何件あるんだ?

指導という名目で上司は先輩に対して『数字を上げろ』と言う圧力をかけ続けました。月末になって目標の売り上げが達成できないとわかると鬼の首を取ったようにパワハラがエスカレートしていきました。

ある日電話で上司は「お前は本当に人間のクズだ」と先輩に言い放ちました。

先輩は過保護な家庭で育ったためそんなひどい言葉をかけられた経験がなく、ショックで手がブルブルと震えたそうです。

電話を切った後は体の震えがしばらく止まらずに呼吸が苦しくなって動けなくなりました。その日をきっかけに彼女はパニック障害になってしまったのです。

パニック障害で救急車を呼ぶほど症状が悪化

パニック障害で救急車を呼ぶ漫画

その日以降、上司からの電話が怖くなり、彼女は発作を起こすようになってしまいました。また『人間の屑』と言われるんじゃないかと思うと体が硬直して呼吸が苦しくなるようになったのです。

ある日会社の外で仕事をしていた時に「もう死んでしまうんじゃないか」と思う位呼吸ができなくなりました。

体の震えと心臓の動機が激しくなり、体中に冷や汗が出て立っていられなくなって道に倒れ込むと、同伴していた社員がびっくりして救急車を呼びました。それほど症状が悪化してしまったのです。

救急車で運ばれている間「どうして自分がこんな目に会わなければいけないんだ」と彼女は強く思ったそうです。

その後精神科の病院で『パニック障害』という診断を受け、彼女はいつどこで発作が起こるかわからない爆弾を心の中にかかえるようになってしいまいました。

パワハラ上司と戦って惨敗

先輩は責任感が強い性格だったので「今後同じ思いをする人をなくしたい」という思いから、パワハラ上司ととことん戦うことを決意しました。

彼女はパワハラの現状を訴えるために本社へ手紙を出しました。これまでに自分が言われた暴言や、それが原因でパニック障害になってしまったことを会社に訴えかけることにしたのです。

上司は先輩の動きを知って、会社の上層部に『彼女がいかに会社にとって不利益な人間であるか』を吹き込み始めました。

その結果、長く会社に勤めていた上司の言うことが認められ、先輩は『上司の指導をパワハラと思い込んで勝手に病気になった』と判断されました。上司はお咎めなしでその後も生き生きと違うターゲットをパワハラしていました。

彼女の訴えはパワハラをのさばらせる会社にとって、何の意味も持たないものだったのです。

仕事でパニック障害になったら退職したほうがいい

パニック障害で仕事を退職する漫画

個人的な意見ですが、パニック障害になった原因が仕事なら早めに退職したほうがいいです。

原因を取り除ない限り、発作が起こる確率はいつでもあります。パニック障害はいつどこで発作が起こるかわからないため非常に危険です。

私たちの仕事は長時間の運転や高所作業などをする仕事で、上司の電話にはすぐに出ないといけませんでした。先輩は上司の顔や声を想像するだけで体調が悪くなるほどだったので、上司を退職に追い込めないとわかった時点で退職を決意しました。

その前に「クソ上司に直接言いたいことを全部言ってから辞める」と言って、退職の前日に二人で会議室に入って話し合いました。

話し合いが終わった後の先輩はボーゼンとしていました。どうだったのかたずねてみると、先輩はこう答えました。

「私に人間のクズって言ったこと…あいつ全く覚えてなかった…」

先輩にとって上司に言われた『人間のクズ』という呪いの言葉は、今まで自分が頑張って来たことを全否定され、生活を一変させてしまうほどの言葉だったに違いありません。

しかし、パワハラ上司にとっては忘れてしまうほど気軽に言った言葉だったのでしょう。その事実にかなりのショックを受けていました。

最終的には言った言わないの押し問答になって「もし本当に俺が言ったとしたら悪かったな」と上司が平謝りする結果で終わったそうです。

先輩は「あいつが覚えてもいない言葉にずっと苦しめられてきたことが馬鹿馬鹿しい」とくやしそうに退職していきました。

退職後にフリーランスへ転職

退職後にフリーランスになった漫画

先輩はその後フリーランスとして自分が「好き!やってみたい!」と思うことだけをやり始めました。

実家に帰って生活費を抑え、写真を撮って個展を開いたり、手作りした作品をフリーマーケットや店舗に置いてもらって売ったり、好きな歌を歌ってライブをしたり手広く色んなことを始めました。

この先フリーで生計が立てられるのかと心配していましたが、彼女はいろんなことに積極的に応募して動いていました。その結果、ラジオのパーソナリティーになったり、ライブでゲストとして呼ばれたりCDを出したりと仕事の幅が広がっていきました。

ある日、私がショッピングモールで買い物をしていた時、メインステージで楽しそうに歌う先輩の姿を見つけました。そのイベント会場は芸能人なども呼ばれるステージだったので「こんな場所に呼ばれるなんて凄いなぁ」と感心しました。

ステージで歌う彼女の姿はアフロヘアーでとても楽しそうでした。好きな髪型で自分のやりたいことを楽しみながらお金を稼いでいる彼女の姿を見て、とても羨ましく感じました。

今では歌の経験を生かしてボーカル教室を開いたり、毎月の基本収入を得る手段も見つけているようです。好きを仕事にするというのは収入面では不安定かもしれませんが、精神的には安定するのかなと感じました。

パワハラでパニック障害になったことは彼女にとって不幸でしたが、病気がきっかけで自分のやりたい天職を見つけていました。

フリーランスで収入を得るのは大変かもしれませんが、パワハラに怯えて働くよりも毎日が楽しいチャレンジに変わるかもしれません。

寄稿のお知らせ

ジョブシフトさんに寄稿させていただきました!

今回先輩にパワハラしていた同じ上司にマタハラをされた体験談です。ちょっと暗い話になってしまいますが、妊娠しながら働く女性の産休制度や社会の環境を少しでも変えていきたいと思って書きました。

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