子供用ハーネス(迷子ひも)とは、子供の飛び出しや迷子を防止するため体に固定する道具のことをいいます。
子供用ハーネスの必要性はSNSでは認知度が高まってきているイメージですが、「犬の散歩みたいでかわいそう」と不快感を示す人はまだ少なくないようです。
私は子供時代に、1~2歳位の子供にブランコで怪我をさせてしまった経験があるのですが、子供用ハーネスがあれば防ぐことができた事故だと思っています。
その時の体験談とハーネスの必要性、正しいハーネスの使い方を漫画とともに紹介させて頂きます。
子供用ハーネスが必要だと感じた体験談
私が子供の頃、ブランコを180度になるまで漕ぎ続けるという挑戦を毎日していました。
今なら近くに子供がいたらいつでも止まれるようにブランコを小さく漕ぐなどの危険予測ができますが、子供の頃は自分のことしか見えていませんでした。
最大にブランコを漕いだ瞬間にブランコの通り道へ1~2歳位の小さい子供がよちよちと歩いてきてしまったのです。
ビックリしてチラっと横目で見ると、母親は井戸端会議に夢中で全く気づいていません。
小さい足で両足を広げてブレーキをかけましたが止まりきれず、歩いてきた子供の体をブランコで跳ね飛ばしてしまいました。
しかし、まだそれで終わりではありません。ブランコは同じ場所を何度も往復する鉄の凶器に変わりました。
そのままブランコが後ろ向きに下がっていき、泣きながら起き上がった子供の頭にブランコの鉄の板が鈍い音をたててガツンとぶつかったのです。
漫画では痛々しくて省略させていただきましたが、実際は子供の体と頭に2回ブランコがぶつかっています…。
私はパニックになってしまい「わあああ」としか叫べず、とにかくブランコを止めようと必死でした。
しかしブランコを止めようにも、足がつく場所に子供が倒れていてブレーキがかけられません。毎日乗っているブランコが怖くてたまりませんでした。
私の叫び声と子供の鳴き声でやっと気づいた母親がブランコを片手で掴み、私は宙に浮いたような状態でやっと止まることができました。
その時、母親が私を見た鬼のような表情が今でも忘れられません(;_;)
(今思うと必死過ぎて怖い顔になっていた可能性もありますが…)
体と頭を打った小さい子供は大きな声で泣いていて、自分が犯罪者になってしまった気分になりました。
母親とママ友二人は「病院へ連れて行こう」と走り去っていって、私は一人公園に取り残されました。
ジワジワと罪悪感と恐怖心が湧いてきて、泣きながら家に帰ったのを覚えています。
母親にどうしたのかと尋ねられて「小さい子供をブランコで轢いてしまった」と話すとどこの子かと聞かれましたが、公園にはもう誰もいないしわかりません。
その後、父と母が近所の人に聞きまくってあの母親に菓子折りと治療費を持って謝りに行ったみたいですが、私もすごく小さい時の記憶なのでその辺は詳しく覚えていません…。ただ、子供の命に別状はなく、後遺症もなかったそうです。
万が一のために子供用ハーネスは必要
ブランコを見ると当時の光景がフラッシュバックして、あの子供の命や体がどうにかなっていたらと思うと恐ろしくなります。
「母親がちゃんと子供を見ていないからこうなった」と感じる人もいるかもしれません。
確かに今回の事故は母親が話しに夢中になって、子供と手を繋がずに放置していたことが原因の1つです。
しかし、公園ということもあって普段はちゃんと見ていたのにたまたま油断しただけかもしれませんし、事故が起こる可能性はいつでもあります。
母親が子供を見ていたとしても、その時の状況によって100%事故が起こらないように監視することは難しいです。
繋いでいた手を子供が突然振り払って、道路に走り出すことがあるかもしれません。
子供を守る補助的な目的として、ハーネスの利用は必要だと思います。
もしあの時に子供用ハーネスがあったら、こんな事故は防げたのではないでしょうか。
子供用ハーネスの種類と正しい使い方
子供用ハーネスのさまざまな種類と正しい使い方を調べてみました。
子供用ハーネスの種類
子供用ハーネスには体に直接巻きつけるベルトタイプやリュックにリードを引っ掛けるタイプ、親と子供の手首に巻いて固定するリストバンドタイプなどがあります。
体に巻きつける紐のタイプはベビーカーにそのまま乗せることができるメリットがあります。
リュックタイプは見た目が可愛らしく、ハーネスっぽくないので周りの人の視線が気になる人におすすめです。
このハンドベルトは紐がたるまないので邪魔になりません。
子供がいない人には見慣れないアイテムかもしれませんが、「子供用ハーネスとはこういうものなんだな」と知っておくといいと思います。
物珍しさからジロジロと見てしまうと、使っている人に居心地の悪さを感じさせてしまう可能性があるからです。
子供用ハーネスを使うことが当たり前のようになるといいですね。
子供用ハーネスの正しい使い方
子供用ハーネスの正しい使い方を知らないと逆に危険な場合があります。
ハーネスの使い方は基本は手を繋いで、万が一の保険として使います。犬の散歩のようにリードを伸ばした状態で使うものではありません。
リードを伸ばした状態で歩かせるのは自転車の走行に巻き込まれたりする危険がありますし、周囲を歩いている人の迷惑にもなります。
このように間違った使い方をする人がいることで、迷子ひもが「ペットみたいでかわいそう」と感じてしまう人がいるのも事実です。
リードを強く引っ張ると子供が転倒しやすく、後頭部を強打する危険性があります。
ハーネスは手で持たずにベルトに固定して使うのがおすすめです。そうすると万が一の時も手からハーネスを落とす心配がありません。
子供用ハーネスを正しく使うことによって、世の中の偏見をなくしていくことができると思います。
まとめ
公園は子供が自由に遊べる場所なので、迷子ひもなんて必要ないと思うかもしれませんが、ブランコなどの遊具のそばはとても危険です。
もし、ブランコが車だったら怪我では済まないかもしれませんし、加害者側がほとんどの過失を負うことになります。
車やバイク、自転車などを運転している人にとって、子供用ハーネスは他人事ではありません。
今回は「子供用ハーネスがあったらこういう事故が防げた」という体験談をシェアすることによって、少しでも必要性や認知度が広がるといいなと思って書かせて頂きました。
事故を親の不注意という一言で片付けるのではなく、子供の安全を一番に考えられる視点をみんなが持てるといいなと思います。