きなこ猫のスッキリ生活

きなこ猫のスッキリ生活

漫画とダイエットレシピ。猫2匹と暮らしながら趣味でお絵かき

保護した子猫を保健所に連れて行かれた体験談

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野良の子猫を保護する漫画

私が子供の頃、いつものように公園で遊んでいたらゴミを漁っている子猫を見つけた。

子猫はお腹を空かせているようで、何かを一生懸命食べていた。

そっと後ろから近づいて見てみると、それは何とティッシュだった。

私は思わず「あかん!それごはんちゃうよ!」と言って子猫を抱え上げたが、ジタバタと暴れた。思わず手を離すと、またティッシュを食べ始めた。

周りに親猫や兄弟を探してみたが、それらしい影は見当たらない。

子猫の体はあばらが浮き出るほどガリガリだったので、母猫とはぐれてしまったのだろう。

「このままティッシュを食べ続けたら死んでしまうかも」と思うと放ってはおけず、私は子猫を抱えて自宅へダッシュした。

子猫にごはんを食べさせる

野良の子猫にごはんを食べさせる漫画

自宅に子猫を連れ帰ると、私は母親に「この子猫すごくお腹空いとるみたいやで何か食べさせてあげて」と必死に訴えた。

すると母は「え~猫の食べ物なんてあったかな~?」と言いつつ台所の食材を探し始めた。

うちは当時ペットを飼っていなかったため、冷蔵庫にあった鶏肉を茹でてから小さく裂いて与えてみることにした。

すると子猫は「ニャンニャンニャン!」と大きな声をあげながらすごい勢いで食べ始めた。

よっぽど美味しかったのかと思い、私も嬉しくなった。

私がしたことは自宅に連れ帰ったことだけだったが、とてもいいことをしてあげた気分になった。

子猫は与えた鶏肉を全て平らげ、満足そうに毛づくろいを始めた。

子猫を飼いたい

子猫はご飯を食べ終わっても逃げる様子がなく私にスリスリと寄ってきてくれた。

母に「この子猫飼いたい」と言うと「お父さんがいいって言ったらね」と答えた。

父親は動物があまり好きではなく、私がペットショップで犬や猫を飼いたいと言っても絶対にうんとは言わなかった。

子供の私は父が怖かった。父が言うことは絶対で、私が口答えをするとすぐにゲンコツが飛んできて何も言えなくさせられてしまうのだ。

しかし、今回はこの子猫の命がかかっている。自分は命を助けるという「いいこと」をしたんだから自分は正しいんだと子供心に思った。

しかし、父が帰ってきても怖くて「子猫を飼いたい」と言い出すことができず、私は寝室に子猫をこそこそと隠していた。

子猫が父親に見つかった

私はまだ自分の部屋がなく、両親と同じ部屋で寝ていた。
子猫はごはんを食べた後ずっと寝室で寝ていたので、父が帰ってきても見つからずに済んだ。

このまま内緒で飼えないかなと思いつつ、布団を敷いて子猫と一緒に寝ることにした。

子猫と同じ布団で寝ることは寝返りによって圧死させる可能性があるので絶対してはいけないと今は知っているが、当時の私は子猫がずっと外で寒い思いをしていただろうから暖かい布団で一緒に眠たら喜ぶだろうと思っていた。

しかし、布団をかけると子猫はもぞもぞと動き出し、ニャーニャーと鳴き始めてしまった。

隣の居間では父がテレビを観ているので、私は必死で子猫が鳴かないように撫でたり抱っこしたりした。

すると突然襖を勢いよく開ける音が聞こえた。
私は布団を頭までかぶっていて見えなかったが、父だとわかって子猫をぎゅっと抱っこしたまま息を潜めた。

しかし、子猫が再びニャアと鳴いてしまい、ごまかすために私もニャアと声真似をした。

次の瞬間布団を勢い良く剥ぎ取られ、見上げると父が怖い顔で私と子猫を見下ろしていた。

父親に猫を飼いたいと交渉

父に猫を飼いたいと交渉する漫画

父は私に「こんな汚い野良猫を布団に入れるな!」と怒鳴った。

私は「濡れタオルで拭いたから汚くない」と答えたが、父は「野良猫はノミや寄生虫の卵を持ち歩いとるから汚いんや」と言って子猫の首根っこを親指と人差し指で掴んだ。

父は台所にいる母を呼ぶと「子猫を玄関に置いておけ」と言いつけた。
母はダンボールにタオルを敷いて子猫を中に入れた。

私は子猫をバイ菌扱いする父に腹が立っていた。「この子猫飼いたい」と不機嫌な態度で父に言うと即答で却下された。

私は「この子猫はゴミ捨て場でティッシュを食べていて、親もいなくて可哀想だから飼いたい」と言っても父はダメの一点張りだった。

私は父に何度も食い下がった。するとキレた父が「お前が勝手に拾ってきたのが悪いんやろうが!」と怒鳴った。

大きな声にビックリして私の体は自分の意志とは関係なくガタガタと震え出した。

それでも私は父を睨みつけて「お父さんの人でなし」と震える声で言ってやった。

父は「誰の家やと思っとるんや!」というお決まりのセリフを怒鳴って私の頭に拳を振り下ろした。

山に捨てられた子猫

父のゲンコツが痛くて布団の中で泣いていたらいつの間にか眠ってしまい、朝起きると子猫の姿はどこにもいなかった。

父もいなかったため、母に子猫の居場所を訪ねると「お父さんが山に捨てに行った」と答えた。

あんなに小さい子猫を山に捨てたらごはんにありつけず、他の動物に襲われる危険があることは幼い私にも想像できた。

その山に行って子猫を探すと母に訴えても「すごく遠い山だから無理」とか「猫とネズミがたくさんいる山だからきっと大丈夫」と言って私をなだめようとするだけでどこの山かは教えてくれなかった。

父が家に帰ってきた時にも「その山に連れて行って」と頼んだが、また頭にゲンコツされて終わった。

山に捨てられた子猫の漫画

私は2階の窓から遠くにある山を眺めてあの子猫のことを想った。

  • 山の猫の仲間に入れてもらえますように
  • ごはんを食べられますように
  • 暖かい場所が見つかりますように
  • 誰かが見つけて飼ってもらえますように

この家もごはんも大嫌いな父のお金で成り立っているのは事実で、山を眺めて祈ることしかできない無力な自分が悔しかった。

子猫は保健所に連れて行かれていた

今思えば私が情を引こうとして言った「ゴミ捨て場でティッシュを食べていた」という一言によって、父の中で子猫の保健所行きが決定したのだろう。

父は世間体が第一で動物に対して冷酷な人間だということを当時の私は知らなかった。

ゴミを荒らす猫をうちが捨てたと世間に見られる可能性があるため、私の一言によって元の場所に返すという選択肢がなくなってしまったのだ。

子猫は保健所にいるとも知らず、馬鹿な私は素直に親の言うことを信じて遠くの山を眺めて子猫の無事を祈った。

子供の私に大人が平気で嘘をつくなんて誰も教えてくれなかった。

無力なくせに私が助けたいと思ってしまったせいで、結果的に子猫は保健所に連れて行かれてしまったのだ。

まとめ

保護した子猫を保健所に連れて行かれた体験談

その場しのぎの嘘を子供につくとバレた時の反動が大きい。数年後に本当の事を知った私は父と母が心の底から大嫌いになって数年間確執を生むことになる。

私を見捨てずに育ててくれた両親には感謝しているが「他に飼い主(里親)を探すこともできたのにどうして」という思いはずっと引きずっている。

その後、父は1匹の子猫を自分で保護したことがきっかけで動物の命の大切さを知ることになるのだが、あの時の子猫はもう戻ってこない。

私が今回の記事で言いたいのは「私の父親が保健所に子猫を連れて行ったひどいやつ」というだけのことではなく、保健所にはこうして持ち込まれる犬や猫がたくさんいるという事実だ。

保健所に持ち込まれた動物の保管期間は3~7日間しかないといわれている。

あの時の子猫が救われている可能性があるとしたら、保健所から直接引き取りをしてくれる人がいた場合と、民間のボランティア団体が一時預かりをしてくれた場合だ。

もしもペットを飼いたいと考えている人がいたら、保健所に持ち込まれて命の期限がつけられた子たちを救って欲しい。

インターネット検索で「地元の市町村 保健所 里親」と入力すれば、情報はたくさん出てくる。

里親探しを「面倒だから」という理由で安易に保健所へ持ち込むのは絶対にやめて欲しいし、この記事がきっかけで1匹でも救われる命があれば嬉しい。

 

▼最近買って読んだ本。今はペットショップで犬や猫を飼いたいとは思わなくなった。是非読んで欲しい一冊。

 

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